年収を150万上げるつもりで、年収分くらいの精神的負債を抱えて4ヶ月で逃げ帰った話です。

2024年3月から6月までの、4ヶ月の話です。

軸記事では「上げて、下げて、戻った」と1行で済ませた部分の、生々しい中身です。
第1記事では「面接の建前と日記の本音」として要約だけ書きました。
ここではタイムラインで、4ヶ月のあいだに何が積み上がっていったのかを並べます。

退職代行を使った話まで含みます。
生々しいエピソードが続くので、苦手な方は軸記事に戻ってください。

時期イベント状態
2024.3入社・年収550万期待
2024.4課長面談・関西転勤通告違和感
2024.5出張先の決定打(新幹線で切符紛失)限界
2024.6退職代行(朝6時に私物回収)離脱
プライム上場4ヶ月のタイムライン

入社前:年収550万・大卒の仕事・上場企業

3社目の年収は450万でした。
6年いて、まだ450万。

4社目の基本給は550万、残業込みで600万近くになる想定でした。
つまり、150万アップが視野に入っていた。

2023年10月の日記。

早々に内定がでて草
年収550万円
今より140万円も上がる
残業と仕事についていけるかが不安だな
在宅勤務があればうれしい

日記の140万は計算が雑、自分の年収が410万だと思ってました!!
実際は基本給で100万アップ、残業込みで150万アップ想定でした。
当時の自分の計算は、こういうところがいつも雑。

それでも150万アップは大きい。
家計の数字としても、自尊心としても、大きい。

同じ月の別の日。

大卒の仕事がしたい
上場企業で働いてみたい
仕事中になんだかスッキリしたわ
ってことで内定を承諾した
正直、転勤も残業も嫌だし品質保証の仕事はしたこともないけどね

「正直、転勤も残業も嫌」
と書いてる本人が、転勤も残業もある会社に行くと決めた瞬間。
今読むと、ここでもう不穏な伏線が出ています。

ただ当時は、こう思っていました。

  • プライム上場の大企業なら教育体制も整っているはず
  • 中途でも、ちゃんと引き継ぎがあるはず
  • 大卒の仕事って、もっと頭を使う仕事のはず
  • 年収550万なら、多少きつくても回収できる

全部、外しました。

入社初日:嫌な予感は初日に来た

2024年3月、初出勤の日。

まずね、指定された時間が8:25だったんだけど、だれも来ない
同日入社が俺とは別にもう三人いたけど待ちぼうけ
みんな俺とは目を合わせない
嫌な予感がする

朝一の段階で、嫌な予感が来ていました。

そのあとも、ボディブローのように違和感が積み上がります。

定時がいつだかよくわからん
しかしまあみんな帰らない
先輩には「定時になったらかえっていい」って言われたけどよくわからん
上司に聞いたら「先輩にきいて」
先輩に聞いたら「残ってもすることないでしょ」
不快!!笑

「定時で帰っていい」と言いつつ、誰も帰らない。
仕事もないのに残ってる。
聞くと「残ってもすることないでしょ」と返ってくる。

3社目は17:30が定時。
残業せずに堂々と帰っていた人間にとって、これは地味にきつい。

定時で帰られるのは幸せだったんだな

入社初日の日記の最後の一行が、これでした。
失った後でわかる、というやつ。

1ヶ月目:中途は即戦力という空気

2024年3月後半から4月にかけて、業務が降ってきます。

製品の立会依頼書、試験記録の確認、品質会議の議事録、改善活動の打合せ、日々の荷重試験。
これだけ並べると忙しそうに見えますが、忙しいのとはちょっと違う。

改善活動の会議に出た
クソ眠い眠すぎワロタ
毎月はだるくね??
ネタ無いやろ

初めての品質会議
眠い
議事録任されたからボイレコをオン
やれやれ
おっさんたちの声を聞きながら議事録
何いってんだかわからん

中途で入ったから、入って2週間、業務がよくわからない状態で議事録を任される。
内容はわからないから録音機能を回す。
あとで聞き直して書き起こす。

教えてもらってないのに任される、というのが続く。

そして「中途はできて当たり前」の空気がじわじわ効いてくる。
わからないことを聞くと「自分で考えろ」と返ってくる。
課長も先輩も配属されて1年程度で、深いことは知らない。
それでも社内会議では発表させられる。
お客様にも説明させられる。

残業中、上司に「初残業どう?」だって
どうもこうもない帰りたい
「大丈夫!慣れるから。なんなら深夜のほうが楽しいよ」
そんなことあるかーい!!

「深夜のほうが楽しい」と笑顔で言ってくる上司の感覚。
合わない、と直感で思いました。

2ヶ月目:課長面談と関西転勤の話

2024年4月、課長面談がありました。

課長面談があった
めんどかった
やめようかな
関西行きたくねえし
発表とかしたくねえしよ

ここで「関西転勤」の話が初めて出てきます。

入社4週間で、半年後には関西の工場に飛ばす可能性がある、と。
直近で結婚予定だった自分にとって、この通告は重かった。

「将来的に転勤可能性あり」とは聞いていたけど、「入社直後」とは聞いていない。

このあと、4月から5月にかけて、日記の文章が短く、攻撃的になっていきます。

腹が痛い
飯が食えない
楽しくない
昨日はねむかった
やめようかな

泣きそうだったわ人生とは
やめてえなやめたい

腹が痛い、飯が食えない、というのは身体からの警告です。
当時はそう思えませんでした。
ただの忙しさだと自分に言い聞かせていました。

決定打:出張先で起きた一件

2024年5月、関西方面に出張に行きました。

上司に「業務課に確認しろ」って言われた件
何もわからねえまま電話したら業務課の担当者に困惑された
俺もわからんだから相手もわからんだろう
ネットの設定の際も馬鹿にされた
ピッチの件も馬鹿にされた
ぼくはもういたくなかった
何もをどうすればいいのかもわからない
聞いても「考えろ」
大の大人3人で何をやってるんだろう
帰りの新幹線、切符なくした…
帰ってからは疲れたしイライラするしお腹は空いてるけど食べられない

ここでの「業務」は、社内の業務課のことです。
「取引先担当者」は、業務課の担当者。社内の他部署の人間です。
つまり、社内のたらい回しに4ヶ月目の中途を1人で投げ込んだ、という話。

新幹線で切符をなくした、というのが地味に効きました。
ふつうの日なら笑い話で済む話が、その日は涙が出そうになる事件になる。
人は疲れると、ふつうのことがふつうにできなくなる。

退職を決めるって、こういう小さい一件の積み重ねで突然来ます。

退職代行:朝6時に私物回収、LINEブロック

2024年5月の終わり、家族から決定的な言葉が出ました。

(4社目)はやめるよ
妻に「自殺しそう」って言われたしな
上司がいない
先輩は使い物にならない
課長にきくと「自分で考えろ」と怒られる
それでも会議で説明しろ発表しろ
はらいてえよ
どうしたらいいのかわからねえ
退職代行!!

身近な人から「自殺しそう」って言葉が出るって、もう自分で判断できない領域に入ってます。
このタイミングで第三者(代行)を頼るのは、逃げじゃなくて防衛行動です。

退職代行を使った理由は、シンプルです。
自分で「辞めます」と言える状態じゃなかった。
課長に「自分で考えろ」と言われ続けて、辞意を伝える練習をする気力もなかった。
お金で解決できるなら、お金で解決した方が早い。

退職代行により今日よりニート生活
昨日は朝イチから会社にいって私物を回収してきた
クソ雨だったからめんどくさし
6時くらいに行ったから流石に誰もいなかったわ良かった
さっと回収して帰宅
とりあえず先輩に「休む」とLINEしといた
あとは代行へーー
LINEはブロック

朝6時に会社に行って私物を回収する、というのは結構な気合です。
誰にも会いたくない、という気持ちが最優先だった。
LINEブロックも、後悔していません。

退職代行は数万円かかります。
ただ、4ヶ月この会社で過ごす精神的コストと比べたら安かった。

150万円UPはいくらの負債?

辞めて1ヶ月後、5社目(現職)に入りました。
年収は480万。プライム上場時より70万下がり、3社目より30万上がりました。

「年収を上げて、下げて、戻った」というのは、この経緯の話です。

プライム上場の4ヶ月で得たものは、ほぼなかった。
失ったものは、4ヶ月という時間と、健康と、自尊心の一部です。

ただ1つだけ、得たものがあります。
「年収だけを見て会社を選ぶと、ぶっ壊れる」というデータが、自分の人生に1つできたこと。

150万アップは、自分にとっては多すぎたんだと思います。
品質保証の経験が浅いことを面接で伝えていたのに、入社後は即戦力扱い。
このギャップは年収では埋まらない。

今の会社は、転勤なし、残業少なめ、フレックスあり。
私は早めに行って早めに帰りたいので、7:45~16:30で自由に働いている。
年収は480万。

「年収より時間を選ぶ」という、このブログの軸が腹落ちしたのは、たぶんこの4ヶ月のおかげです。

回り道だったけど、要らない経験ではなかった、と無理やり納得することにしています。

次回予告

退職代行で逃げた直後、転職活動を再開しました。
プライム上場を4ヶ月で辞めた人間が、次の面接でこの経歴をどう説明したか。

実際に聞かれた質問と、答え方の話を次回書きます。

短期離職を抱えた状態で次の内定を取った経験は、たぶん再現性のある話なので、同じ立場の人の参考になるはずです。